現在40代で看護師として勤務をしていますが、これは20代でまだ看護師になったばかりの頃に体験した話です。
高校時代に3年間お付き合いをしていた彼氏が居ましたが、今の時代の様に携帯電話を持つ習慣が無かったのでその当時は付き合っている彼の家によく電話をして話をするのが日常でした。
彼の家に電話をすると一番に電話口に出るのは決まって彼のお母さんだったので、彼に電話をつないでもらうのがいつもの流れでした。彼の家はアパートだったので、付き合っている当時に一度も彼の家に行ったことは無く、彼のお母さんにも一度も会うことはありませんでした。
そうしている内に月日は流れて彼と別れることになり、その後一度も会うことはありませんでした。
そうして高校を卒業し、看護学校を経て社会人となり看護師として勤務するようになったある日のことでした。
ある一人のおばあちゃんが入院されて来ました。その方はご家族にとても大切にされていて、頻繁にご家族がお見舞いに見えていました。ある日おばあちゃんの体を拭いて綺麗にしてあげるケアに当たった日も娘さんがお見舞いに来られていて、一緒におばあちゃんの体を拭いてあげることになりました。
娘さんと色々と話をしながら一つずつ丁寧に体を拭き終わり、その後改めてどの様な患者さんなのかカルテを確認していた時に、娘さんが高校生の時にお付き合いしていた彼のお母さんであることが娘さんの名前を見てわかったのです。
当時電話で何度も声は聴いていたのですが、実際にお会いしたことは無かったので全く気付かなかったのです。
付き合っていた頃にあんなに何度も電話でやり取りをしていたのに一度も会うことが無く、こうして偶然に出会っておばあちゃんの体を一緒に拭くことがあるなんてと、何十年経った今でもとても不思議なご縁を感じるのです。
そうして数年前更に驚くことが起きたのです。
彼の父方のおばあちゃんも入院されてきて、偶然彼のお父さんとお会いする機会がありました。
現在の彼がどうしているのかとても気になりましたが、突然のことであったので伺うことも出来ませんでした。
それから時々彼のことやお二人のおばあちゃんのことを、ふと思い出すことがあります。
こうして別れて何十年経って彼のことを思い出すような機会が訪れることが不思議で仕方ありません。

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