現在57歳の女性です。小学6年生の夏休みに富士山に登った時の不思議な体験を思い出しました。
それは、友人2人と一緒に子供だけで参加した洋上教室というツアーでした。九州からフェリー、バスと乗り継いでの登山ツアーだったのですが、私自身は船にもバスにも酔ってしまい、結局頂上までは行けず、たしか7合目くらいの宿に泊まりました。
翌朝、友人2人を含めたツアーの人達が下山してきて、私はまだふらふらしながら合流しました。この辺りからがよく分からないのですが、友人の一人が赤い帽子をかぶっていたので、それを見ながら後をついて下りていたつもりだったのです。ところが途中からその目印の帽子が見えなくなり、私はものすごく差がついて置いていかれたのかもと焦り、頑張ってずんずん下りながら帽子を探しました。でも見つからず、とにかく一生懸命歩いているうちに何故かバスのある5合目までついてしまいました。人は沢山いましたが、どれが自分のツアーの人かわかりません。小学生なので心細く、お土産売り場の建物や止まっているバスの辺りをうろうろ歩きまわりました。どの位の時間がたったか不明ですが、続々と下りてくる人を見ているとやっと赤い帽子を見つけました。
後から思うとただ追い抜いてしまっただけなのだと思うのですが、
何故ずっと見ていたはずの帽子を見失ってしまったのか、友人に聞いてもよく分かりませんでした。
今こうして書いてみると道が一本道じゃなかったのかな、とか友人がちょっと帽子を脱いだ時間があったのかななど、いろいろな要因も考えられますが、ツアーの人達の最後尾あたりをよたよた歩いていた自分が、みんなが下りてくるのを迎える側に立っていたのは当時ものすごく不思議でした。
その後、富士山に登りなおす事はありませんでした。これから先も多分もう頂上に立つことはないんじゃないかと思いますが、何となく「富士山の不思議」として今も思い出に残っています。