私は40代後半の女性です。年齢も年齢なので、家族や親しい方との別れも多くなってきました。ここ3、4年の中に、家族が2人亡くなりましたし、大切な人との別れもありました。長く悲しくつらい日々を過ごしてきましたが、最近やっと落ち着いてきたように感じます。ある日、そんな大切な人との思い出をぼんやり思い出していると、ある事に気が付きました。全く何も意図していなかったのですが、彼らが亡くなる少し前、私はなぜか彼らの口から長い自分の思い出話を聞いていたのです。それは、自分がまだ子供だったころのずっとずっと昔の思い出。祖母が亡くなる3か月前、姉妹で子供を連れて集まる約束をしていたのですが、急遽妹たちがこれなくなりました。結果的に、私は祖母と二人きりで長い時間話をすることになったのですが、そこで祖母から色々な話を聞きました。もう80年以上前のなつかしい思い出を、まるで自分の人生を再確認するかのように話す祖母。子育てしていたころの苦労話や、祖父との甘い恋の話まで飛び出しました。その後、脳の病気で亡くなりました。同じように、父が末期がんで亡くなる前も、なぜか私が色々な話を聞いていましたし、友人とも同じように思い出話に花を咲かせました。友人は、まだ若く、まさかその2か月後に突然の病気で亡くなるとは全く思っていませんでした。他にも、似たような体験がたくさんあります。もちろん、ただの偶然なのかもしれません。でも、あまりにも多い経験なので、もしかしたら、私はまもなく人生の締めくくりを迎える方の自分の人生を再確認をするために、その場に足を運ばされているのかもしれないと思いました。私は、これと言って何も優れているものはありませんし、コミュ力も低めです。ですから、聞く側に回ることが多いのですが、だからこそこんな風にじっくりと誰かの話を聞くという役目を担っているのではないかなと思います。いずれにしても、誰かの役に立てていたらいいなと思います。